ご家族が亡くなり、残された車を整理しようと車検証を見ると、「使用者」は亡くなった方なのに、「所有者」は販売店やローン会社になっていることがあります。
この場合、車を保管している家族だけの判断で売却や解体を進めるのは避けましょう。まず登録上の所有者と契約状況を確認する必要があります。
最初に見るのは、車検証の「所有者」
国土交通省関東運輸局は、車検証の「所有者の氏名又は名称」を確認するよう案内し、第三者が所有者である場合は、車の所有権について相続は発生しないとしています。この場合の売却・廃車などは、登録上の所有者と契約先へ連絡し、その案内に従って進めます。
つまり、使用していた人が亡くなったからといって、必ず「車そのものを相続する手続き」になるわけではありません。車検証記録事項で、次の2つを分けて確認します。
- 所有者:車の所有権を登録している人・会社
- 使用者:主にその車を使用・管理する人
電子車検証の場合は、券面だけでなく車検証閲覧アプリや交付された「自動車検査証記録事項」も確認します。

ローン会社名義になっている理由
自動車ローンの契約では、代金の支払いが終わるまで、販売店や信販会社を所有者として登録する「所有権留保」が使われることがあります。
ジャックスは公式案内で、ローン完済後でも所有者名義を使用者へ変更する所有権解除の手続きが必要で、解除前は売却・譲渡・廃車ができない旨を案内しています。
ただし、契約条件、残債、団体信用生命保険等の有無、精算方法は契約ごとに異なります。死亡によって残債が自動的になくなるとは限らず、逆に一律に相続人が支払うとも断定できません。契約先と、必要に応じて専門家へ確認してください。
売却・廃車までの5ステップ

1.車検証記録事項で所有者・使用者を確認する
車名、登録番号、車台番号、所有者、使用者を確認します。ローンの契約書が見つからなくても、車検証情報を用意しておくと問い合わせが進みやすくなります。
2.販売店・ローン会社へ死亡の事実を連絡する
登録上の所有者へ、使用者が亡くなったことと、車を手放したい意向を伝えます。亡くなった方のIDやパスワードを推測してログインせず、公式窓口から相続人・家族として問い合わせてください。
契約先によって申請方法や必要書類は異なります。例えばオリコの公式FAQでは、契約者が亡くなっている場合は遺族から電話で申請し、車検証関係書類に加えて、死亡を確認できる書類と申請者との続柄が分かる書類が必要と案内しています。これは一社の手続き例であり、契約先ごとに確認が必要です。
3.残債・契約・精算方法を確認する
残債がある場合の返済・一括精算・契約終了の扱いは契約先の案内に従います。車の査定額と残債の大小も別問題です。査定額だけで精算できるとは限りません。
4.所有権解除または譲渡同意に必要な書類をそろえる
必要書類は、普通車か軽自動車か、契約先、残債、相続関係によって異なります。戸籍関係書類、死亡を確認できる書類、相続人を確認する書類、印鑑証明書、委任状などを求められる場合がありますが、先に集め切ろうとせず、登録上の所有者から届く案内を確認してください。
軽自動車検査協会も、所有者と使用者が異なる軽自動車の返納手続きでは、所有者の同意を得たうえで手続きするよう案内しています。
5.売却・廃車と登録完了を確認する
所有者の同意や必要書類がそろってから、買取・廃車の手続きを進めます。不動車や車検切れ車は、公道を自走させず、引取方法と費用条件を事前に確認してください。
引き渡し後は、名義変更・一時抹消・永久抹消など、依頼内容に応じた手続きが完了したことを確認できる書面や連絡を受け取ります。
車を置いたままにするときの注意
- 車検や自賠責保険が切れている車を公道で運転しない
- 私有地でも、管理者の承諾なく長期間放置しない
- 鍵、車検証記録事項、契約書類をまとめて安全に保管する
- バッテリー上がりやタイヤ空気圧低下を見越し、引取時の積載条件を確認する
- 税金や保険の扱いは、登録状態と手続き日を基準に個別確認する
ナンバーが付いていることや、家族が鍵を持っていることだけで、自由に処分できるとは限りません。
買取価格は「ローン会社名義」だけでは決まらない
所有権解除ができれば、古い車、過走行車、故障車、不動車でも査定対象になり得ます。ただし、買取可否と価格は、車種、年式、走行距離、故障・事故歴、欠品、地域、引取条件、その時点の相場によって変わります。
「必ず買い取れる」「残債があっても必ず手放せる」「必ず高く売れる」とは断定できません。まず車検証上の所有者と契約状況を確認し、その後に車両状態を含めて査定します。
よくある質問
ローン会社名義なら、その車は遺産に入らないのですか?
登録上の所有者が第三者なら、車の所有権については亡くなった方名義の車と同じ相続移転にはなりません。ただし、ローン債務、頭金、契約上の権利義務などが相続にどう関係するかは別の検討が必要です。契約先や司法書士・弁護士などへ個別に確認してください。
残債が分からなくても査定できますか?
車両情報から参考査定を相談できる場合はありますが、実際の売却・引き渡しには所有者の同意や残債処理が必要です。査定と名義手続きは分けて考えましょう。
販売店が閉店していたらどうしますか?
車検証の所有者欄の正式名称を確認し、合併・事業承継・信販会社の窓口がないかを調べます。連絡先が分からない場合は、管轄の運輸支局や軽自動車検査協会へ事情を伝え、必要な確認先を相談してください。
車検切れ・不動車でも相談できますか?
相談は可能です。ただし、公道を自走できません。保管場所、車の周囲の広さ、鍵の有無、タイヤやブレーキの状態によって積載方法や費用が変わるため、引取条件を事前に確認します。
確認できた事実と、個別確認が必要なこと
公式情報で確認できたこと
- 車検証上の所有者が第三者なら、車の所有権について相続は発生しない
- 所有権解除前は、使用者の判断だけで売却・譲渡・廃車を進められない
- 軽自動車で所有者と使用者が異なる場合も、返納等には所有者の同意が必要
個別確認が必要なこと
- 残債額、死亡時の契約終了条件、保険の適用
- 所有権解除に必要な書類と発行日条件
- 売却・廃車の可否、査定額、引取費用
- 税金・保険の還付や精算の有無と時期
- 債務や契約上の権利義務が遺産へ与える影響
バイバイカーへの相談
「車検証の所有者がローン会社で、何から確認すればよいか分からない」という段階でも、車両状態と保管状況を整理するお手伝いはできます。
無料査定・引取相談では、分かる範囲で次をお知らせください。
- 車種・年式・走行距離
- 普通車か軽自動車か
- 車検証上の所有者と使用者
- エンジンがかかるか、車検の有無
- 保管場所と積載車が入れるか
- 登録上の所有者へ連絡済みか
所有権解除や相続手続きの最終判断は、登録上の所有者、運輸支局、軽自動車検査協会、必要に応じて法律・税務の専門家へ確認していただきます。バイバイカーは、その後の査定・引取条件を分かりやすくご案内します。
出典・参考情報
- 国土交通省 関東運輸局「自動車の所有者が死亡したとき(相続)」
- 国土交通省 関東運輸局「自動車の登録手続き」
- 軽自動車検査協会「自動車検査証返納届(一時使用中止)」
- オリコ「所有権解除申請FAQ」契約者が亡くなった場合
- ジャックス「オートローン完済時の所有権解除のお手続き」
2026年8月9日確認。行政手続き・契約条件は変更される可能性があります。普通車は管轄の運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会、契約内容は登録上の所有者へ最新情報を確認してください。オリコとジャックスの案内は、それぞれの契約先における手続き例です。すべての販売店・信販会社に共通する必要書類や申請方法ではありません。
