冠水車を道路や駐車場から移したいとき、「数メートルなら自走できるかも」と考えるのは危険です。内部の短絡や機械損傷を確認できていないため、始動操作は避けます。一般車によるロープ牽引も、ブレーキや操舵が正常か分からず、二次事故につながるおそれがあります。
まず周囲の安全を確認
水や土砂が残り、立入規制がある場所へ戻らないでください。火災、けが人、急病など消防車・救急車が必要なときは119番、交通事故・事件は110番へ通報してください。道路の穴、路肩の崩壊、落下物、路面の汚れなど、火災・救急・事故対応を要しない道路の異状は、安全な場所から道路緊急ダイヤル「#9910」へ連絡できます。身の危険が迫る場合は、車両への対応より避難を優先してください。

依頼時に伝える10項目
- 「冠水車」であること
- メーカー、車名、年式または型式
- EV・PHEV・ハイブリッドか
- 駆動方式が分かれば2WD・4WD等
- 始動・電源操作の有無
- 車輪、タイヤ、足回りの状態は、すでに分かる範囲だけ(確認のため通電・押す・車輪を回すことはしない)
- 駐車ブレーキやシフトの状態
- 鍵の有無
- 地下駐車場、狭路、高さ制限、傾斜など搬出条件
- 安全な距離から、すでに確認できた煙、火花、異臭、液漏れ等(発熱確認のため触れない)
不明な項目は推測せず「分からない」と伝えましょう。

レッカーと積載車はどう選ぶ?
けん引方法は車種、駆動方式、損傷状態、メーカー指定で異なります。特に電動車は、持ち上げる車輪や積載方法に車種固有の指定があります。利用者が方法を決めず、取扱説明書を確認できる事業者へ任せます。
電動車では、駆動輪を接地したままのけん引を禁じる車種があり、モーターの発電により火災につながるおそれがあります。車輪が回るかを確かめるために押したり、通電したりせず、すでに分かる状態だけを事業者へ伝えてください。
搬送先を先に決める
人命、火災、交通事故などの緊急時は、保険会社への連絡より避難と119番・110番を優先します。緊急性がなく、保険を利用する場合は、整備工場、販売店、保険会社指定の保管先、査定・引取先のどこへ運ぶかを保険会社へ確認します。別の場所へ移し直すと、搬送費や保管料が増えることがあります。
まとめ
冠水車の搬送は、車を動かす作業ではなく、安全情報を正確に渡す作業から始まります。バイバイカーへ引取を相談する場合も、車種・年式・浸水位置・電動車か・鍵・車輪・保管場所・搬出経路をお知らせください。対応地域、引取可否、費用、査定額は個別条件で変わります。
FAQ
Q. ニュートラルに入れば押して動かしてよいですか?
A. ブレーキや高電圧系を含む安全を確認できないため、利用者だけで動かさず専門業者へ相談してください。
Q. EVは必ず4輪を持ち上げますか?
A. 車種、駆動方式、損傷状態で指定が異なります。利用者が確認のため車輪を動かさず、取扱説明書とメーカー指定に沿って事業者が判断します。
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参考にした公的・公式情報
- JAF|自動車が水没したときの対処と脱出方法
- 国土交通省|道路緊急ダイヤル #9910
- 日産|サクラ取扱説明書「けん引するときは」
- 消防庁|119番緊急通報
- 警察庁|事件・事故は110番
- 国土交通省|浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ
制度・契約・窓口情報は変更される場合があります。実際の手続きでは、最新の公式案内をご確認ください。
