お役立ちコラム

相続手続き中の車を長期保管する方法|駐車場・鍵・バッテリー・タイヤの記録

相続手続き中の車を安全に保管し状態を記録するための駐車場と車の鍵

相続手続きが長引くと、車をすぐに売却・廃車できず、自宅や月極駐車場で保管する期間が生まれることがあります。車は動かさなくても、時間の経過によってバッテリー、タイヤ、燃料、ゴム部品、金属部分などの状態が変わります。

この記事では、相続や名義変更の必要書類ではなく、手続きが決まるまで車を安全に保管し、状態を家族で共有する方法に絞って解説します。売却や名義変更の判断は別に行い、保管中は無理に始動・自走させないことが基本です。

相続の手続きと車の保管を分けて考える

遺産分割前の財産は原則として相続人の共有状態となり、管理や処分について相続人同士で確認する必要があります。誰か一人の判断で売買契約、解体、名義変更を進めるのは避けましょう。

一方、保管場所の確認、外観の記録、鍵や書類の整理、駐車料金の記録などは、車の価値と安全を守るための実務です。最初に相続人間で「誰が保管状況を確認するか」「費用をどう記録するか」を共有しておくと、後の話し合いが進めやすくなります。

売却可否や名義関係の確認は、既存記事「遺産分割前の車は動かしていい?保管・査定・売却を進める際の注意点」をご覧ください。

最初に作る「保管状況メモ」

口頭だけで伝えると、確認した日や車の状態が分からなくなります。最初に次の項目を一枚のメモへまとめましょう。

  1. 保管場所と駐車区画
  2. 月極駐車料金、更新日、解約予告期間
  3. 車検証上の所有者・使用者
  4. 車検、自賠責、任意保険の期限
  5. 鍵とスペアキーの本数・保管者
  6. 走行距離と燃料計の表示
  7. 外装、タイヤ、車内、車の下の状態
  8. 事故、故障、冠水、不動など分かっている履歴

車検証、印鑑証明書、戸籍など個人情報が分かる書類を、家族の共有チャットや査定先へ無条件に送らないでください。必要な相手、目的、送付方法を確認し、不要な情報は写さないようにします。

保管場所で確認したい5つのこと

1.駐車契約と搬出条件

月極駐車場では、契約名義、利用期限、支払い方法、解約時の連絡期限を確認します。積載車で引き取る可能性がある場合は、入口の幅、高さ制限、前面道路、機械式駐車場の操作方法も記録しておくと安心です。

2.水が集まりやすい場所ではないか

低い土地、地下・半地下駐車場、排水口の近くでは、大雨時の浸水リスクがあります。大雨予報が出たからといって、権限・保険・車検・車両状態が不明なまま公道へ動かしてはいけません。安全に移動できない場合は、駐車場管理者や搬送事業者へ早めに相談します。

すでに浸水した可能性がある車は、外観が乾いていても始動や通電を繰り返さず、「冠水したEV・ハイブリッド車の安全対応」などを参考に専門家へ相談してください。

3.車の下に液体や汚れがないか

車の下に新しい染み、色付きの液体、油膜が見える場合は、素手で触らず、位置と広がりを撮影します。においを確かめるために顔を近づけたり、液体を触ったりしないでください。

4.車内へ雨水や湿気が入っていないか

窓やドアが確実に閉まっているか、フロアマットやシートが濡れていないか、カビや強いにおいが出ていないかを確認します。車内へ入る必要がある場合も、鍵の管理者と確認し、勝手に荷物を処分しないようにします。

5.車の周囲へ物を置いていないか

タイヤ止め以外の荷物、自転車、可燃物などを車の周囲へ置くと、状態確認や搬出の妨げになります。ボディーカバーを使う場合は、車種・保管環境に合う製品か、風で擦れないか、湿気がこもらないかを確認します。

月1回を目安に同じ位置から写真を残す

バイバイカーでは、保管状況の変化を比較しやすくするため、月1回を目安に、同じ位置から次の写真を残す方法をおすすめします。これは法律上の点検周期ではなく、家族間で状態を共有するための記録方法です。大雨、台風、地震、駐車場工事などがあった後は、追加で確認してください。

  • 車の前・後ろ・左右
  • 4本のタイヤと接地部分
  • 走行距離と警告表示(安全に確認できる場合のみ)
  • 車内の床、シート、窓周辺
  • 車の下と駐車区画

写真には日付を付け、駐車料金、点検・搬送費などの領収書と一緒に保管します。実在のナンバー、車検証、住所が不要に写った画像は、関係者以外へ公開しないでください。

バッテリーは自己判断で端子を外さない

長期保管ではバッテリーの劣化や放電が起こることがあります。しかし、車種によっては端子を外すことで、時計や設定の初期化だけでなく、電子制御や防犯装置へ影響する場合があります。

特にEV・PHEV・ハイブリッド車は、駆動用バッテリーと補機バッテリーがあり、保管・充電方法も車種ごとに異なります。オレンジ色の高電圧配線や高電圧部品へ触れず、取扱説明書、メーカー、販売店、整備工場へ確認してください。

排気がこもる車庫でエンジンをかけることや、「少しだけ動かせばよい」と公道へ出ることも避けます。定期的な始動が必要かどうかは、車種、保管期間、バッテリー状態、保管場所を伝えて専門家へ相談します。

タイヤは空気圧・亀裂・変形を確認する

国土交通省は、日常点検の項目としてタイヤの空気圧、亀裂・損傷、異常な摩耗、溝の深さなどを挙げています。長期間動かさない車では、空気圧低下や同じ場所への荷重による変形が起こることもあります。

見た目で空気圧不足、ひび割れ、沈み込み、異物が確認できた場合は、その状態を記録し、無理に自走させません。ジャッキアップや車輪の回転、空気の補充を自分で行う前に、車両の状態と作業場所の安全を確認できる整備事業者へ相談してください。

燃料・ゴム部品・金属部分も時間とともに変化する

Hondaは、車を長期間使用しない場合、燃料の変質、ゴム部品の劣化、タイヤの変形、バッテリーの劣化、金属部品のさびなどが考えられるとして、販売店への相談を案内しています。

古い燃料を自己判断で抜く、添加剤を入れる、下回りへ薬剤を吹くといった作業は、火災、漏れ、部品損傷につながるおそれがあります。どの程度の期間保管するか、再び乗る予定があるか、売却・廃車を検討しているかを伝え、必要な作業だけを専門家へ確認します。

車検・保険が不明な車は公道で動かさない

車検切れの車は公道を走行できません。また、車検が残っていても、自賠責、任意保険の被保険者・運転者条件、車両の安全状態、使用権限が確認できない場合は、自己判断で運転しないでください。

移動が必要なときは、積載車などによる搬送を相談します。「エンジンがかかる」と「公道を安全・適法に走れる」は別の問題です。

再び使う前に確認したいこと

長く保管した車を再び使用するときは、いきなり始動・走行せず、保管期間と記録を整備事業者へ伝えます。国土交通省は、車は走行距離だけでなく時間の経過でも部品の性能や耐久性が低下すると案内しています。

  • バッテリーと電装品
  • タイヤの空気圧、亀裂、変形
  • ブレーキ、オイル、冷却水
  • 燃料の状態
  • 下回りのさび、液漏れ
  • 車内の浸水、カビ、異臭

警告灯、焦げ臭、煙、液漏れ、異音がある場合は、確認のために始動を繰り返さず、販売店、整備工場、ロードサービスへ相談してください。

査定は保管費用と車両状態を比較する材料になる

相続人間で売却の結論が出ていなくても、現在の車両状態、搬出方法、保管費用を整理しておくと判断材料になります。査定を依頼するときは「相続手続き中で、まだ契約・引き渡しはしない」と伝え、相談と売買契約を分けてください。

バイバイカーの無料査定・引取相談では、車検証上の所有者、保管場所、自走可否、鍵の有無などを確認し、必要な手続きや搬送条件をご案内します。査定額や引取条件は、車種、状態、保管場所、その時点の相場によって変わります。

FAQ

Q.相続手続き中でも、バッテリー上がりを防ぐためにエンジンをかけてよいですか?
車種、保管場所、保険、車検、車両状態、使用権限によって判断が変わります。排気がこもる場所では始動せず、取扱説明書や販売店・整備工場へ確認してください。

Q.車を少し前後に動かせば、タイヤの変形を防げますか?
無断使用や事故の原因になるため、権限・保険・車検・周囲の安全が不明なまま動かさないでください。タイヤの状態が悪い場合は自走させず、専門家へ相談します。

Q.月極駐車場の期限が迫っています。先に移動だけできますか?
相続人間の確認に加え、車検、自賠責、任意保険、車両状態を確認します。自走できない場合は、駐車場管理者と搬送事業者へ期限と搬出条件を早めに相談してください。

Q.保管中の車でも査定を受けられますか?
相談できる場合があります。ただし査定と売買契約は別です。相続手続き中であることを伝え、契約や車両引き渡しは必要な確認と合意の後に進めます。

まとめ

相続手続き中の車は、動かさないままでも状態が変化します。保管担当者、駐車契約、鍵・書類、車検・保険、車の状態を最初に記録し、月1回を目安に同じ位置から写真を残すと、家族間で状況を共有しやすくなります。

バッテリー端子の取り外し、定期的な始動、車の移動、燃料処理などは自己判断で行わず、車種と保管条件を伝えて専門家へ確認してください。手続き、査定、契約を分けて考えることが、安全に車を守る近道です。

参考情報・出典

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