保険会社から「全損です」と連絡を受けると、すぐ廃車業者へ渡してよいと思うかもしれません。しかし、全損認定後の車の扱いは契約、保険金の支払条件、所有者名義、ローン残債などで変わります。
「全損」と「修理できない」は同じではない
保険でいう全損には、修理不能だけでなく、認定された修理費が契約上の車両保険金額以上になる場合などが含まれる商品があります。定義は契約によって異なり、整備技術上の「直せない」と必ずしも同じではありません。
保険金支払い後に車両の権利が保険会社へ移るか、残存車を誰が引き取るかも、保険商品・約款によって異なります。全損と認定されても、契約確認前に売却、解体、名義変更を進めず、加入先へ「保険金支払い後の車両は誰に帰属するか」「残存車を誰が引き取るか」を確認してください。特定の保険会社の商品例を、自分の契約へそのまま当てはめないことが大切です。
一例として、SBI損保の2026年1月改定約款の車両条項第14条では、全損として保険金を支払った場合、原則として被保険者が持つ車両の権利を保険会社が取得し、保険会社が取得しない旨を示して支払った場合は移転しないと定めています。これは一つの商品・約款の例であり、ご自身の契約へ一般化はできません。必ず加入先の現在有効な約款と個別案内を確認してください。

最初に確認する5点
- 全損認定の理由:修理不能か、修理費と保険金額の比較か。
- 支払われる保険金等:車両保険金、特約、免責、諸費用の扱い。
- 冠水車の帰属:保険金支払い後、車を誰が引き取る契約か。
- 車検証上の所有者:本人、販売会社、ローン会社などを確認。
- 保管・搬送費:いつまで、誰が、どこまで負担するか。

ローン会社名義なら勝手に処分しない
車検証の所有者欄が販売会社や信販会社の場合、使用者だけの判断で売却・廃車できないことがあります。所有権解除や残債の精算方法を契約先へ確認してください。
電子車検証では、券面に所有者情報が表示されない場合があります。その場合は、国土交通省の車検証閲覧アプリまたは交付時の「自動車検査証記録事項」で確認します。
保険金の同意前に査定へ出してよい?
比較相談自体が直ちに問題になるとは限りませんが、売買契約、名義変更、解体、部品取りは車の価値と権利関係を変えます。保険会社の損害確認と処分方針が確定する前に進めないでください。
引き渡すときに受け取るもの
使用済自動車として廃車にする場合は、自動車リサイクル法の登録引取業者へ渡し、「使用済自動車引取証明書」を受け取るのが基本です。中古車として売却するのか、使用済自動車として引き渡すのかで、その後の扱いは異なります。
まとめ
全損認定後は、金額だけでなく「車を誰が処分できるか」を最初に確認します。保険会社、車検証上の所有者、ローン会社の説明がそろってから、査定・引取または廃車手続きへ進みましょう。バイバイカーへ相談する際は、全損認定の有無、車検証上の所有者、保険会社の処分方針、保管場所をお知らせください。買取可否や引取条件は個別判断です。
FAQ
Q. 全損なら必ず車の所有権が保険会社へ移りますか?
A. 一律ではありません。保険金支払い後の車両の帰属や残存車の引取方法は商品・約款で異なるため、現在有効な保険約款と保険会社の案内を確認してください。確認が終わるまで売却・解体・名義変更は進めないでください。
Q. 車検証の所有者がローン会社でも廃車できますか?
A. 所有者の同意や所有権解除等が必要になる場合があります。ローン会社・販売会社へ先に確認してください。
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参考にした公的・公式情報
- 日本損害保険協会|自然災害に伴う損害保険の補償
- SBI損保|総合自動車保険 普通保険約款・特約(2026年1月改定)
- あいおいニッセイ同和損保|車両保険
- 三井住友海上|車両保険
- 国土交通省|自動車の廃車手続き
- 軽自動車検査協会|自動車検査証返納届(一時使用中止)
- 国土交通省|電子車検証について
- 自動車リサイクル促進センター|売却・廃車とリサイクル料金
- 自動車リサイクル促進センター|自動車リサイクル制度
制度・契約・窓口情報は変更される場合があります。実際の手続きでは、最新の公式案内をご確認ください。
